平家物語の最後はもちろん壇ノ浦。アニメで言うと第11話。最初は平家が優位に進めていた戦いも潮の流れの変化で形勢が源氏に傾き、ついには平家は安徳天皇も含めて入水するという悲劇的なシーンです。
その壇ノ浦は下関の関門橋のすぐ近くにあります。詳細な海戦図などが残されていないのですが、安徳天皇が入水した場所の近くの海岸に下関市が作った記念のプレートと銅像がたっています。銅像の一体はもちろん義経で八艘飛びのさまがいきいきと再現されています。もう一体の銅像は最後まで平家を支えて「見るべきほどの事をば見つ。今は何をか期すべき」と言い残して海に沈んだ平知盛。普通の古戦場跡といえば小さな碑があるだけのことが多いなかで、ここはなかなか迫力のある銅像で日本史の中で別格のドラマであったことがわかります。これはやはり平家物語の影響が大きいのでしょう。
関門海峡は極めて狭いので対岸がすぐそこに見えます。屋島にしても壇ノ浦にしても極めて狭い水面で戦っていたことがわかります。しかし狭い海峡であるがゆえに潮の流れが早く変化も激しいことが戦いに大きく影響しました。
地形も大きく変わってほとんど当時のイメージができない屋島と違って壇ノ浦は悲劇の歴史ドラマを味わうことができます。