Rewatch 響け!ユーフォニアム#4『結』

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第九回「おねがいオーディション」から第十二回「わたしのユーフォニウム」は物語の結にあたる部分。多くの物語が一応の決着をみます。オーディションによるソロ奏者の決定とその後の和解。久美子と麗奈の友情の深まり。そして次の第十三回の最終回でそれまでの総決算となるコンペティション当日と結果発表でフィナーレとなります。

「響け!ユーフォニアム」公式HPより

それにしても改めて見て思うのはこの物語は単なるスポ根の成功物語ではないと言うこと。もしテーマがそれだけだと、この物語は吹奏楽などのブラック部活が問題になっている現代を生き延びていくことはできないでしょう。仲間で一緒に汗を流して努力して栄冠を勝ち取ろうとするスポ根定番ストーリーをまとっていますが、この物語の本質は人が生きていく上でのさまざまな悩みを久美子を通して体感し、久美子と一緒に成長していくことを感じることができるところにあると再認識しました。なので、部活の形態は改めていく(休日は練習しないとか)ことになったとしてもこの物語は色褪せることはないでしょう。

「響け!ユーフォニアム」公式HPより

久美子は勉強は平均よりちょっといいくらい。ユーフォニアムは小さい頃からやっていたので、ちょっと上手だけれど、高校入学時にはそれほどの思い入れもこだわりもなく、吹奏楽部にはいろうかどうしようかも迷っていたし、はいったあともトロンボーンにかわりたいとも思っていました。

つまり悩める普通の人です。でも、その久美子がさまざまな人と交流する中でやがて真剣にユーフォニアムがうまくなりたいと思うようになりますが、あるとき屈辱的なダメ出しをされてしまいます。そして初めて中学時代の麗奈の思いを理解しました。

「響け!ユーフォニアム」公式HPより

こういうことは長く生きていれば生きているほど経験します。なにも考えずに普通に生きる時、何かに自分の生きる意義を見出してそれに没頭する時、そしてそれに失敗して失意に陥る時、逆に成功して大きな満足を得る時、そんな普遍的な人生の体験を久美子は吹奏楽部の1年間で体験するのです。

「響け!ユーフォニアム」公式HPより

たぶんこの物語は高校生よりももっと長く生きている人間が見た方がさまざまなことを感じることができると思います。久しぶりに通して再見して、あらためて自分はこれから何に生きる意義を見出して取り組んでいこうかと思いを巡らすことができました。

「響け!ユーフォニアム」公式HPより

いくつになっても「そして次の曲がはじまるのです」と言って生きていきたいものです。