子供の頃、宇宙開発の本を漁り読みました。その主役はフォンブラウン博士。ドイツに生まれてロケットを作りたくてナチスに接近し、V1号、V2号のロケットを開発。兵器として使われるロケットをつくりながらいつかは月にいくことを夢見ていたフォンブラウン博士はドイツの敗戦とともにアメリカに投降し、アメリカでロケットを作ることになりました。ナチスに協力しいてたということで最初は冷たい目で見られていましたが、スプートニクショックで揺れるアメリカの窮地を挽回するためにロケット開発の責任者となりました。そして最後はサターンVを作ってアポロを月におくったのです。
For All Mankindの魅力は宇宙飛行士たちだけでなく、フォンブラウン博士のようなロケットを作る人が重要な登場人物になっているのが魅力です。season1の主人公の一人は間違いなくフォンブラウン博士。精力的で魅力的なスピーチで宇宙開発を推し進めますが、反対派の議員からナチス党員としての責任を問われて失脚してしまいます。
自分の夢を実現するために悪魔と手を組み、そして最後にはそのために夢が挫折する悲しい男として描かれています。壮大な連続シリーズの冒頭にふさわしい幕開けでした。このあと主人公は宇宙飛行士とフォンブラウン博士の薫陶を受けた女性管制官に移っていきます。