連続シリーズでの宇宙開発もののドラマといえば「宇宙兄弟」や「プラネテス」もあります。アニメと実写の違いがありますが、その違いはおいとくとしても、どちらもFor All Mankindと比べてしまうと物語のリアリティ、テーマの深さ、人間描写どれをとっても圧倒的な差があって悲しくなってしまいます。
まず「プラネテス」は危険なところで作業しているという状況で個人の意見が優先されるという描写が多くしらけてしまうシーンが多々あります。個人の意見がなかなか反映されないもどかしさみたいなものをもっと描くとよかったと思うのですが、おそらく原作者にそういう社会生活での経験が少なかったのでしょう。ちょっと大人の鑑賞には耐えません。
「宇宙兄弟」もなんとか途中まで見ていましたが、途中からやはリアリティがなくなっていって興味を失っていってしまいました。リアリティと言っても科学的なものとかいうことではなく、人間関係のリアリティです。そもそも弟の悪口を言われたから上司に暴力を振るっても仕方がないという描写が冒頭からありますが、普通の社会人としてもありえないのに、全国民に注目される宇宙飛行士としてありえないと思うのですが、それが平然と描けてしまうのはやはり原作者の社会経験の乏しさと思ってしまいます。
For All Mankindでは宇宙飛行士間の友情と反目、宇宙飛行士と家族の摩擦、家族間の関係などさまざまなバリエーションで話が展開します。どの関係も誰が正しいということではなく、それぞれが一生懸命生きているので仕方なく発生していく摩擦熱をリアルに感じることができるのです。