GWでちょっと時間があったので、ゴジラS.Pを見直してみました。これはほんとに不思議な作品で、怪獣映画なのに科学的に謎を解き明かすところにストーリーの重点が置かれているけれど、最初は限定敵だった災害が徐々に地球規模に広がって絶望的な雰囲気になる中で、さらに宇宙の破局の話がでてきて、もう完全にSF。たぶんそこが好き嫌いが分かれるポイントですが、私的には大変面白い作品。
この作品にはストーリー以外にも不思議なことがいっぱい。時代設定は2030年ですが、主人公たちが使っているノートパソコンはどうみても20年くらい前のデザイン。でもよくパソコンの画面を見てみると容量が2PB（ペタバイト）とかになってる。あとクルマも電車も１９７０年代風のデザインだったりしていつの時代かあまりわからないようにしています。たぶん未来風のデザインにして数年後に見た時に古く見えることを恐れたのかな？
さらに不思議なのは主人公たちのデザイン。いちおうヒーローとヒロインですが、ヒロインはあたまはいいけれどメガネをずらしたボサボサ髪にラフな服。ヒーローは一応頭はよくてハンサムっぽいけど、半ズボンをはいてサンダル履き。どちらもかっこよさはあまりない。でもそうかといって、よくあるドジでお転婆だけど活発で運がいいとか、正義感だけは無茶苦茶強いとか、頭はいいけどアクションはだめとかアンチヒーロー系でもない。とにかくとらえどころがなく主人公に感情移入があまりできない。
たぶんこのキャラクター設定は狙ってやっていて、キャラクターよりもストーリーに集中してくださいという作り手のメッセージなのでしょう。
実際、主人公よりもAIのペロ２のほうがはるかに感情移入しやすい。まあいつかもういちど見直してみたいと思います。
