2022年上期で心を奪われたアニメ ー行動原理ー

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「幼女戦記」「その着せ替え人形は恋をする」「平家物語」「サクラダリセット」の4つに共通するのは、見る前にほとんど期待を持っていなかったこと。むしろ、「これはさすがにないなあ」という思いの方が強かったのが特徴です。

「平家物語」公式HPより

それぞれタイトルから「幼女戦記」はロリコンのオタクが見るもの?「着せ替え人形」は妄想系のオタク?「平家物語」は古典に超能力をもった少女がでてくるゲテモノ?「サクラダリセット」はありふれた超能力もの?というような印象でとりあえず見てみるかという感じで見始めました。

でも見始めるとどれも1話から没入できるスタートでした。(特に「幼女戦記」は目が釘付けで2話、3話と続けてみてしまいました!)それぞれ特徴がありますが、共通しているのは登場人物たちに感情移入できるということ。感情移入できるポイントは自分がそういう環境下に陥ったら同じように悩んで同じような行動をするよなと思えるということです。つまり登場人物の行動原理が自分に理解できるということです。

途中で見るのがいやになってくるドラマはストーリーがつまらない、絵が汚いという他に登場人物の行動原理に共感できないというケースが多いです。「なんでそこでそんなことするの?」と思うとどんどんイライラしてくるのです。

もちろん中には常識を超えた行動原理で突き動く破天荒な主人公や破滅的な主人公が魅力というケースも稀にありますが、それはその主人公を支えるストーリーや設定がとことん練り込まれていないと破綻してしまいます。

「プラネテス」や「宇宙兄弟」は設定やストーリーはそれほど悪くないのに主人公の行動原理に共感できないということが物語全体への没入感を大きく下げる要因になっています。

「幼女戦記」は主人公の性格は不気味なものがありますが、行動は軍人としては理にかなっていて普通の戦記ものとしてみることができます。まわりの登場人物も同じで能力の優劣はありますが、理解不能な行動をとる人間はいません。

「着せ替え人形」はタイトルからの予想に反して、二人の主人公は極めて純真な行動原理で動いていて見ていて驚くほど気持ちがいいものでした。

「平家物語」は唯一の架空の登場人物の少女びわが最初はちょっと危うい感じでしたが、すぐに傍観者としての位置付けになり、最後には琵琶法師として見たものの語り部になるという極めて合理的な設定になっていました。

「サクラダリセット」は一風変わった登場人物たちで極めて感情が薄い非現実的な高校生なのですが、その哲学的な論議をしながら行動原理をつきつめるところが極めて面白いのです。(人によっては全くつまらないという人もいるでしょうが、、、)

行動原理は見る人それぞれに違うので同じアニメをみても絶賛する人と、つまらないと思う人がでてきます。逆に同じアニメが好きな人とはよく話があうというのは行動原理が同じだからでしょうね。人生の中でなにか困難があったときにどう考えどう行動するかが理解しあえる人とはいろんなことで共感しあえるので、そういう人を探してどんどん友達になりたいと思っています。(それがこういうブログを書いている理由かもしれません。。)