冷戦が終わって宇宙開発も米露が強力して行う時代になってからなんとなく未来もそのまま世界中が協調していくような雰囲気が支配的になり、社会にも映画にも現れてました。でもその前は宇宙開発といえば米ソの対立構造が前提にあったので映画もそれを前提としていました。
宇宙開発中の米ソの対立時代の最後のころの最後の時としては「2010年宇宙の旅」を思い出します。これは1984年の映画なのでまだ冷戦が終わっていないときに作っられたものです。この映画でも米ソは対立しながらなんとか共同でミッションをこなしていますが、最後の段階で地球上で対立がエスカレートし、宇宙でもソ連のレオーノフ号とアメリカのディスカバリー号に乗員がわかれてしまいます。でもこの映画はオプティミスティックなアーサーCクラークが原作なので、最後は(モノリスの力を借りて)地球はひとつに向かうエンディングになっています。
その後の映画はブルースウイリスの「アルマゲドン」のように米露の乗員が一つの船に乗って行動する描写が増えて、映画を見ても「ああ冷戦は終わったんだなあ」としみじみすることができました。
でもFor All Mankindの中では冷戦中に米ソの宇宙開発が進むので宇宙空間にも米ソの対立がもちこまれます。対立しながらもかろうじて科学者どうしはなんとか連携しあおうとしますが、ついにシーズン2の最後には悲劇に発展します。(このへんがお気楽な日本の物語と違うところです)
シーズン2を見たときには、ああ歴史がこういうふうに進まなくてよかったと思ったのですが、今年にはいってウクライナでの戦争が始まってからまた歴史は繰り返しそうです。仮にウクライナで停戦したとしても当面の間、アメリカとロシアが共同で宇宙開発をする世界はきそうにありません。まるでいきなり違う世界線にはいってしまったよう。。。
まさに事実は小説より奇なり。。。なんとか早くもとの世界線に戻りたいところです。