Apple TV+のSFドラマのFor All Mankindのシーズン3が6月から放映決定です。
For All Mankindという言葉はアポロ11号でアームストロング船長がはじめて月面におりたときに発した言葉のThat’s one small step for [a] man, one giant leap for mankind.からとっていることはすぐに想像がつきますが、シーズン1のスタートは意表をつきます。アポロ11号が発射される直前にソ連が月着陸に成功するところから始まります。これはソ連がはじめて月着陸をしたIFの世界です。
現実の世界ではアメリカの月着陸で宇宙開発競争はひと段落して長い停滞の時代にはいりますが、この世界ではアメリカがなんとかビハインドを跳ね返そうとますます熾烈な宇宙開発が行われます。IFの世界の中で現実のフォンブラウン博士や管制官のジーンクランツがでてきます。たくみに正史とIFをおりまぜながら女性の宇宙進出や宇宙飛行士の家族の物語が冷静に積み上げられてみごとな大河ドラマです。
シーズン2ではアメリカとソ連の衝突が激しくなり悲劇的な結末で終わりますが、現実のウクライナ戦争で一挙にそのシチュエーションがリアルに感じられるようになりました。
日本で言うと宇宙兄弟のようなものですが、組織の中での宇宙開発に取り組む人々を描くと言う点では宇宙兄弟は全く比較になりません。このへんは日本のアニメ・漫画・ドラマの限界かもしれません。(現実に国際的な組織で活動した人が少ないのでそういう情報が少なくてどうしてもリアリティにかける・・・)
宇宙開発ドラマとしてはこの作品は空前絶後でおそらくこれに匹敵するドラマは当面作られることはないでしょう。シーズン3がとても楽しみです。